俳優座公演「フル・サークル-ベルリン1945-」

小山力也さんご出演の『フル・サークル~ベルリン1945~』を観劇。

正統派の、素晴らしい演劇を拝見させていただいた満足感でいっぱい。

第二次世界大戦のドイツが舞台ですが、良い意味で淡々と、戦時中の人の生き方を描いています。そこに説教臭さのようなものはなく、でも一つ一つ、一人一人の行動について言葉についてその裏側を考えさせられます。そう言わざるを得なかった状況、そう見せなければならなかった悲しさ、絶対に屈しないと死をも覚悟した行動、口と態度では従順にしたがっているようでも内心は…という兵士たち…。

瞬きすら忘れるくらい入り込みました。

皆さん本当にすごかったんですが、中でも主役・アンナ役の斉藤深雪さんの演技に圧倒されました。役者って本当にすごい。そしてすさまじい。生ってものすごい衝撃。


また、窓をうまく使った演出が良いです。観客にその凄惨で残酷な光景を想像させる。

誰もが、一番観たくないものを想像する。


戦争が、男としての生き方が、ちっぽけな見栄やプライドが、それでも辞められないし捨てられない。そんな男たちに振り回され絶望する女、でもどんな状況下でも嘘をついてでも逞しく生きようとする女。


どちらも愛があって、戦争の愚かさという真実に気づいていながら、同じ生き方ができない。たった一つつけばよい嘘をつけない。男女の生き方・考え方の違いを描き出していました。

年齢、生きてきた過程、男女でまったく違う人物に感情移入しそうです。



終演後は役者の皆様がロビーへ。小山さんはあっという間に大勢の方々に取り囲まれて近づけませんでしたが(苦笑)、こうやって直に観客と触れ合っていただけるって、本当に嬉しいですね。

本当に良い時間でした。再演があったらまたぜひとも足を運びたいです。